ドイツ、スペインと同組に
11月に開幕するサッカーのFIFAワールドカップカタール大会の組み合わせ抽選で、7大会連続出場の日本は極めてタフな組に入った。1次リーグE組で日本が対戦するのは、ドイツ、スペイン、そして大陸間プレーオフの勝者(コスタリカ-ニュージーランド)に決まった。特に、2010年のワールドカップを制したスペイン、2014年優勝のドイツの優勝経験を持つ2チームは明らかに格上。過去のワールドカップでベスト16が最高の日本にとって極めて高い壁となる。組み合わせ抽選があった4月2日深夜、ライブ中継を見ていた日本のサポーターの大半は苦戦が予想される組み合わせにため息が出たに違いない。
日本の優勝オッズは251倍
世界的なオンラインカジノやスポーツベッティングを運営するWilliam Hillもさっそく優勝オッズや1次リーグ各組の勝者オッズを公開し、日本の苦戦を予想している。4月15日時点の優勝オッズは、ブラジル5.5倍、フランス6.5倍、イングランド7.0倍がトップ3で、日本と対戦するスペインが8.5倍で4位、ドイツが11倍で5位タイに続く。一方の日本の優勝オッズは251倍と跳ね上がり、全体の22位タイだ。1次リーグE組の勝者オッズはスペインが1.83倍、ドイツが2.1倍に対し、日本は15倍となっている。 FIFAワールドカップカタール大会でベスト8が目標の日本は最低でも、スペイン、ドイツのいずれかに引き分け以上の試合をしないと、目標達成は難しい。
ドイツに恩返し、スペインにはリベンジ
1次リーグE組の組み合わせは日本にとって過酷ではあるが、一方でドラマチックでもある。初戦で対戦するドイツは日本にとって特に縁が深い。1964年の東京オリンピック前に日本が初めて招いた外国人コーチが、西ドイツからやってきたデッドマール・クラマー氏だった。「日本サッカーの父」と呼ばれ、日本サッカー殿堂の初の受賞者。このクラマー氏が初来日した1960年を契機に日本のサッカーは世界を意識した本格的な強化が始まった。練習法や育成の仕組み、必要な施設など、クラマー氏を通じて学び、日本は常にドイツを手本にして基礎を築き上げてきた経緯がある。そんなドイツと日本はワールドカップで初めて対戦する。サッカーの師、ドイツに日本は恩返しできるか。
そして1次リーグ最終戦で対戦するスペインは、2021年夏の東京オリンピックで久保建英らを擁する日本が準決勝で対戦し0-1で敗れた相手だ。地元開催のオリンピックで目前にあった決勝進出を阻まれた相手へのリベンジがかかる。
厳しさとともにやりがいのある舞台が準備された。