参議院議員選挙の投開票日まであと3日です。投票先を選ぶ上で重要な、暮らしに直結する各党の経済政策、中でも「金融緩和」について、日本テレビ政治部の菊池部長と共に解説します。
■金融緩和は続けるべき? 野党の中でも意見分かれ…
今年は「円安」が急激に加速しています。金融引き締めをするアメリカと、金融緩和を継続する日本との“金利差”が主な要因となっていますが、こうした金融政策について、国内の景気を支えるため、「金融緩和は続けるべき」だと訴えているのは、自民党、公明党の与党のほか、日本維新の会、国民民主党、れいわ新選組、NHK党です。
一方、立憲民主党と共産党、社民党は円安の要因となっているとして、「金融緩和を見直す必要がある」と訴えています。
日本テレビ・藤井貴彦アナウンサー
「消費税については、与党と野党ではっきりと主張が分かれました。金融緩和については、野党の中でも意見が分かれているということがわかりますね」
日本テレビ・政治部 菊池正史部長
「金融緩和は、円安の原因にもなっています。与党が主張するように緩和を継続するなら、物価高騰は長期化します」
「では、立憲民主党などが主張するように、金融緩和をやめた場合にどうするのか。金利を引き上げるとなると、住宅ローン金利や、個人や企業への貸出金利が上がるので、また消費が抑制されて景気が低迷してしまう…ということが考えられます。つまり、金融緩和については、続けても苦しいし、やめても苦しいという状態が予測されるわけで、袋小路に入ってるというか、どん詰まり状態にあると言えるのではないでしょうか」
■難しい選択 ポイントは「誰が“強い経済”を作れるか?」
藤井アナウンサー
「特に住宅ローンがずっと低い金利に抑えられていただけに、その計画を立てて返済をしていた人は多いと思いますので、難しい選択となりますが、この後、有権者はどんなポイントについて考えて、投票すればいいのでしょうか?」
菊池部長
「長く言われていることなんですが、やはり、エネルギー価格や為替、円安や円高に左右されない、影響されない『強い経済』を、どの政党、どの候補者が作ってくれるのかということに着目するべきかなと思います」
「ただ、金融緩和にしても、財政出動にしても、『足りない、足りない』と言って10年以上続けてきているわけです。その割には、賃金は伸びてこないし、年金はどんどん減る可能性があると…。そうすると政治も問題かもしれないけれども、政治が一生懸命、笛を吹いても踊らない産業の構造にも、何か問題があるんじゃないかなど、今回の参院選がその辺にも視野を広げて、考えるきっかけになればいいのかなと思っています」(2022年7月7日放送「news every.」より)
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