春の高校バレー全国大会。男子では鎮西高校が3年連続のベスト4に進出。7日の準決勝で敗れ日本一の夢は叶いませんでしたが最後の全国の舞台でこのチーム初のメダル獲得となりました。
【後藤 祐太 アナウンサー実況】
「去年、おととしと決勝で涙をのんだ鎮西高校、まずはその舞台に立ちたい。ブロックポイントー。準優勝だった去年おととしに続き3年連続でのセンターコート進出」
去年秋に右肩を負傷したキャプテンでエースの井坂太郎。
練習を再開したのは大会の1週間前、コンディションは決して万全ではありませんでした。
それでも、ここぞの場面で上がるトスを気迫でねじ込みチームを3年連続でセンターコートへと導きました。
迎えた7日の準決勝。スタメンは井坂ではなく1年生の大石が起用されました。
【井坂 太郎 選手】
「将来の事を考えて(スタメンは)我慢してキャプテンとして臨もうと」
「不安とかもあると思うけど自分がたくさん声掛けして伸び伸びプレーできるようにしたい」
その言葉通り立ち上がり、1年生の大石が立て続けにスパイクを決めチームを盛り立てます。
しかし、徐々に劣勢に立たされるとついに、井坂がコートへ。
【実況】「ここで大エースの投入。井坂がコートに入ってきます」
「バックアタック井坂!これはすごいコースです」
それでも相手の勢いを止めることはできず第1第2セットを失います。
「高さ、パワー、スピード、全てで相手が上だった」と畑野監督。
3セット目も劣勢に立たされるとセッターの勝原は終盤トスをほぼ全て井坂に託しました。
そして相手のマッチポイント。最後のトスも、やはりここまで引っ張ってきた井坂に上がりました。
【試合終了 実況】
「きょう12本目のブロックポイントはチームを勝利に導く大きな壁でした」
【井坂 太郎 選手】
「振り返ったら正直きついことをいっぱい思い出す3年間だったけどいい思い出もたくさんあったので鎮西でやってよかったなと思います」
(出し切れた?)「そうですね。もう後悔は無いです」
全て出し切った選手と悔しさをこらえる選手。
去年の準優勝から1年、インターハイ、国体と全国大会で結果を残せなかった鎮西が最後の春高で手にした銅メダル。彼らの胸で輝いて見えました。