岸田首相は、日銀の黒田総裁の後任となる次期総裁に、経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏を起用する方針を固めた。
植田氏は、1998年から7年間、日銀で審議委員を務め、景気が悪化する中でとられた「ゼロ金利政策」などを理論面で支えた。
黒田総裁の元で続けられ、ひずみも指摘される“大規模な金融緩和策”からの“出口”を探ることが課題になる。
植田和男氏「現状の金融政策は適切だったと思う。当面、現状は金融緩和を続ける必要があると思う。(日銀総裁に求められるものは?)非常に難しい経済情勢なので、予断を持たずに、柔軟に、物価・景気の現状と見通しに応じて適切な政策運営をするということだと思う」
10日の外国為替市場の円相場は、植田氏の就任後に、日銀が大規模緩和の修正に踏み切る可能性が意識され、一時1ドル = 129円台まで上昇したが、植田氏が「当面、金融緩和の継続が必要だ」などとする認識を示したことが伝わると、一転して値下がりし、1ドル = 131円近辺での取引となっている。
政府は、人事案を14日、国会に提示する見通しで、副総裁には前金融庁長官の氷見野良三氏と、日銀理事の内田眞一氏を起用する方針。
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