日本銀行の黒田総裁は最後の金融政策決定会合で現状維持を決めるとともに、会見で、10年にわたって続けてきた金融緩和策の成果を強調しました。
黒田総裁「春季の労使交渉では、労使双方からこれまでとは違う声が聞かれ始めており、時間がかかるとしても、賃金の上昇を伴う形で物価安定の目標を持続的安定的に実現することは可能であると考えている」「副作用といわれるものについても、副作用の面よりも金融緩和の経済に対するプラスの効果がはるかに大きかった」
日本がデフレに苦しんでいた2013年に日銀総裁に就任した黒田総裁は、就任早々、“異次元の金融緩和”を行い、当時、企業の業績を圧迫していた円高は円安に転じ、株価は上昇しました。
しかし、その後も賃上げを伴う2%の安定的な物価上昇は実現できず、去年からは急速な円安による物価高や債券市場の歪みなど、副作用が目立つ形となっていました。
多くの難題を積み残したまま、今後の金融政策の運営は来月9日に発足する植田新体制に委ねられることになります。
(2023年3月10日放送)
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