3月10日、資産規模・全米16位のシリコンバレーバンク、その2日後には資産規模・全米29位のシグネチャーバンクも経営破綻に追い込まれました。
相次ぐ米銀行の経営破綻、それでも米FRBは利上げを続けるのか?日本にどういった影響があるのか?詳しく見ていきます。
■リーマンショック再来は?
熊崎風斗キャスター:
アメリカで銀行が相次いで経営破綻しました。
まずは3月10日、資産規模(2022年末時点)が全米16位で、総資産が28兆円ほどだったシリコンバレーバンクが経営破綻。その2日後の3月12日、資産規模が全米29位のシグネチャーバンクも経営破綻に追い込まれました。
かつて、銀行の破綻をきっかけにリーマンショックが起こりました。
2008年に、アメリカの投資銀行大手リーマンブラザーズが世界最大級の規模で倒産しました。これによって世界的な金融経済危機に発展し、日本でも世界的な不況を受け、非正規雇用者が解雇される「派遣切り」が社会問題化しました。今回はどれほどの影響になるのか、まさに今注視されています。
ホラン千秋キャスター:どこまで日本へ影響があるのかという点もありますけれども、アメリカ国内ではどれくらい混乱というか危機感が高まってるんでしょうか?
TBSスペシャルコメンテーター星浩氏:リーマンショックのときは対応が遅れたことがあって、(影響が)広がっていきましたが、今回はすぐ対応したので、とりあえずは混乱は回避してるみたいですけども。3番目の銀行の破綻があるんじゃないかというのが昨日今日あたり、噂になっています。その辺がどこまで広がっていくかです。
ホランキャスター:保護するといいつつも、日経平均株価大幅下落という形になっていますので、やはり危機感は失っていないということですか?
星氏:危機感は相当あると思います。特に日本の銀行株も下がりましたから、これがどこまで波及してくるか、株が下がるとどんどん世界的に繋がっていくので、これが明日明後日どうなってくるかというのを皆さん注目してます。
熊崎キャスター:3月14日の東京株式市場では、取引開始直後から全面安となりました。午前10時半すぎ、700円以上下がった時間帯もあり、日経平均株価の終値は2万7222円04銭となりました。前日比610円92銭安という状況になりましたので、明日明後日どういう動きになるのか注目していきたいと思います。
今回の破綻の原因はどういうところにあったのか。そして日本にどのように影響が出てくるのか見ていきます。
■米銀行破綻の背景は?金利と債券の関係
熊崎キャスター:
まずはアメリカの状況です。FRB(連邦準備制度理事会)は2022年から物価高を抑えるため急速な利上げに踏み切っています。「金利」と「債券価格」この2つをキーワードとして注目していきます。
例えば「金利」が下がる場合、シーソーの関係で見ると「債券価格」が上がります。急速な利上げ、金利が上がる場合は債券価格が下がる。
シリコンバレーバンクは債券保有の割合が他の銀行より高くなっていました。ですから、金利が上がって、債券価格が下がるとなると、損失はそれだけ多くなる。8日発表の時点で約2400億円の損失だったということです。
この状況を踏まえ、アメリカの格付け会社は、シリコンバレーバンクを格下げしました。すると、お金を預けていた皆さんは"ひょっとしたら経営が危ないんじゃないか"と思い、預金の引き出しが相次ぎました。1日で5兆円を超える額が引き落とされ、経営破綻してしまいました。
こうしたことを踏まえ、財務省・FRBなど共同声明で、預金を全額保護すると発表し、バイデン大統領も「みなさんの預金は安全です」と異例の発表をしました。
ホランキャスター:
もっと大きな銀行も経営破綻の危機になると、アメリカ政府としてはどこまで保護できるのかという部分もあると思うんですが。
星氏:
全部の銀行を保護するというのは、実際にはできないです。今、危機が始まっている段階、火事で言えば小さい段階で消火しようということです。これから広がらないようにして、安心ですよという心理を作ろうという作戦だと思います。
日比麻音子キャスター:
利上げを続ける方針ではある訳で、預金者が慌てて全て引き出すことがないように心理的に食い止めるということですか?
星氏:
とりあえず大丈夫ですよと言えば、取り付け騒ぎが起きませんから。これは世界に拡大する可能性があるので、ここで消火しようということです。
ホランキャスター:
利上げが今回のような副作用をもたらしたということですが、FRBはこれからも金利を上げていくという見通しです。これだけ銀行が破綻するようなことがあれば、利上げのペースを落とす、あるいは止める可能性はありますか。
星氏:
来週、会合が予定されていて0.5%の利上げと言われていたんですが、もしかすると利上げを見送るかもしれませんね。
■米銀行破綻日本への影響は?楽観見方広がるも
熊崎キャスター:
日本への影響はあるのでしょうか?
3月14日鈴木金融担当大臣…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230314-6073266)
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